Cd_2 2007年3月26日に1枚の衝撃的なアルバムがリリースされる。Joe ClaussellのファーストアルバムUnchained rhythumsだ。このアルバムはジャンルにカテゴライズすることができない壮大なコンセプトを持つサウンドトラックのような仕上がりで、Joe Claussellがダンスミュージックの枠を超えて、すべての音楽ファンに放った歴史的傑作といっても過言ではない。このアルバムはクラブミュージックでもなく、コーマシャルな音楽でもない。ここにあるのは彼のオリジナルの音楽である。今回のインタビューではこのアルバムを製作するにあたっての想いや彼が今感じていることについて話を聞いてみた。   

 

SOUND FINDER:このアルバムの構想はいつから考えていたのですか?

Joe Claussell:この地球上にはありとあらゆるところに音楽があるということを世界中を旅してわかったんだ。コンセプトはそんな中で、自分たちの身の回りにあるリズムをもっと使って表現したいということだった。例えば、Unchained rhythumsというトラックには子供が公園で遊んでいるときの声が入っていたりするんだ。
また、これとは別のとても大切なコンセプトもある。それはこの地球上で、自分のアートを表現したいと思っているすべての人が、社会の呪縛から開放され、恐れることなく自分を表現して欲しい、そんな願いも込められている。どうしても僕たちは本当に優れていると思うことを話したり、作ったりすることをためらってしまうことがあるからね。
例えば、君の質問にあるように、このアルバムを聞いた人がつまらならないと感じたとしよう。そういう人たちはJoe Claussellはこういう人だと最初から決めてつけてしまい、このアルバムのコンセプトを感じることができないし、イメージすることもできない、ましてや理解することもできないくらいに感覚が縛られてしまっている。
Unchained rhythumsやこのプロジェクトはこんな人たちに向けて作ったものだ。これこそがUnchained rhythumsの哲学だ。

すべての人はアーティストだと思う。みんな内面にあることを表現したい思っているはずだからね。音楽をよく知っているとかそういうことではなく、映像作家や詩人であったとしても自分が信じることを表現することが大切だと思うんだ。自分たちの内面にある表現したい気持ちをどのようにしていろいろな人たちに理解してもらうか?ということを自分自信がわかることが大切。人はいろいろなこだわりを持っていると思うんだ。内面に埋もれていて、忘れたくても忘れられないような感情は何らかの理性が働いてうまく表現できないで苦しむ。僕は日本に来るようになって、日本人にはこの傾向があると感じている。僕たちはみんなアーティストだし、誰かの目を気にすることなく自分を表現すべきだと認識しているにも関わらず、多くの日本人は自分が本当に思っていることを表現しない。もし、表現したいことを包み隠さず表現できれば、今の世の中はもっと楽しくなると思うよ。
たくさんのリスナーにこのアルバムを聞いて欲しいんだ。音楽を聴くだけでなく、このアルバムの根底に流れるコンセプトを感じて欲しい。僕はこのアルバムを通じてとても大切なメッセージを発信しているつもりだ。僕の願いは宇宙という大きな視点にたって人々が物事を考えるようになり、新しいことや他の人と違うことを表現できるようなればいいと思う。
そのために僕が今まで宇宙から感じたパワーと同じようなパワーを僕がこのアルバムを通してすべての人に捧げたいと思っているよ。
オリジナリティ溢れる音楽や芸術をみんなが作るようになったら、世の中はもっと素晴らしいものになる。そう思わないかい?僕たちが普段見聞きしていることを見極める時に来ていると思うんだ。例えば、Joe ClaussellのUnchained rhythumsはDJのための音楽だと思っている人もいるかもしれない。そういう人たちはイメージが凝り固まってしまっている。オープンな気持ちでこのアルバムを聞いて欲しいな。
 
 

SOUND FINDER:このアルバムを製作するにあたって、影響を受けたものはありますか?

Joe Claussell:すべてのものだね。アイディアの根源にあるのはこの地球上すべてのリズムだ。でも、一番大切なことはひとつのアイディアを絞る出すのもたくさんのアイディアが元々はあったということかな。例えば、宇宙というキャンバスに画家が絵を描いたとしよう。宇宙は無限だからキャンバスも無限だ。要するに僕たちのクリエイティビティは無限だということだ。
僕は自分の表現手段として音楽を選んだ。音楽は神様が授けてくれた素晴らしいもののひとつ。僕にとっては宗教のような説得力もある。だから僕は音楽を一番大切にしたいんだ。音楽は何物にも代え難い大切なものなんだ。
 
 

SOUND FINDER:このアルバムは非常に素晴らしいアルバムだと思います。ただ、音楽産業は構造的な問題を抱えていて、売れるものを製作・販売する傾向にあり、このような作品を受け入れる土壌がないのも事実です。あえてこのようなアルバムを製作することにためらいはありませんでしたか?

Joe Claussell:僕は自分の音楽を作るうえで、ためらったことは一度もない。なぜならば僕は自分が表現したいものについて正直だからだ。今、音楽産業はさまざまな問題に直面している。大切なことはメジャーな音楽が僕たちが信じる音楽を支配できないようしなきゃならないということだ。例えば日本で戦争反対デモをしたって、戦争はいったん始まってしまうと、終わることがない。でも、世界の国々でも同じときにみんなで戦争に対してのデモを行えば、戦争は終わるんじゃないかな。これと同じように、今僕たちが置かれている環境をみんなで壊さないと。僕たちは何にも束縛を受けない世界に生きる必要があると思うんだ。レコード会社も環境が変れば、お金のためではなく、本当の音楽のために尽力するようになると思うよ。それが本来の姿だ。

SOUND FINDER:アメリカは政治的な問題を抱えていて、独善的な考え方のような気がする。このアルバムはそのアメリカの方向性に対する強烈な批判のようにも感じるが、製作にあたっては現在のアメリカを意識することはあったのですか?

Joe Claussell:音楽を製作する上では時流に流されないもの作るって事だけを意識するけど。意見を言わせてもらうと、What The World Needs NowとMiddle Eastern Bluesは今起こっている恐ろしい戦争について書いている。What The World Needs Nowは僕たちの運命は自分たちで変えなきゃいけない。人々は立ち上がって、戦争反対と訴え、この地球上から暴力を葬り去る必要があるんだということを言っている。Middle Eastern Bluesはイラクでの大量殺人、戦争について書いている。中東の自然は破壊され、未来ある子供たちはどうしようもないひどい状況におかれている。この状況を目の当たりにして、僕の心の奥底から表現したいと感じたものを作品にした。僕はハリウッドスターになりたいわけではない。僕が作りたい音楽は意味のある僕の音楽だ。

僕の音楽とはJoe Claussellの音楽だ。僕は他の人のアイディアを盗用することはない。僕がインスピレーションを受けるのは今現在世界で起こっていること。Joe Claussellの音楽を聴いた時にこれがJoe Claussellの音楽だとわかってもらえるはず。本来の音楽とはどういうものかということをわかりやすく説明しているつもりだよ。

Mystical Wonderlandは夢について書いている。Seeds To The Vineは大地に根付く植物が産み出す子孫について、Autumn Prayerは僕の大好きな秋に実りある収穫を祈念するような気持ちを込めている。

このアルバムはかっこつけて音楽や芸術をする人、かっこよくDJをやりたいと思っている人に対しての強烈な皮肉でもある。音楽は僕にとってとても高尚で、クラブに踊りにくる人や音楽そのものと比べたら僕のDJは取るに足らないものだ。それほど音楽は僕にとって大切なものだ。

以下、Joe Claussellからのメッセージを原文のまま掲載します。

A note to all Music lovers in Japan.

Joeforunr_2Whether you listen to Unchained Rhythums or not you must understand that it is your duty to be part of making our planet more positive, creative and free from mental slavery.
Everyone of us have to do our part in helping bring peace and love to the universe, but this is impossible if we do not create and use our own mind and voices to speak against wars not just in the world, but at home and in your country. I beg of all of you to listen to your souls and speak your voices- not about gossip, but about how we can change the planet and make it a better place so that new children of the future can live with true love and Freedom.
I myself am not perfect, no one is, but with the help of your voices ? our voices together we can all change for the better

Thank you for listening.
with Music, love and life

Joaquin Joe Claussell
Spiritual Life and Sacred Rhythm Music
 
 
 
 


リリースインフォメーション

Cd_2

Mental Remedy -Middle Eastern Blues  Remixes.
7"X 2 Limited Edition    

    

      

      

   

Cd_2Unchained Rhythums - Limited Box Set