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カテゴリ: Interview

All3_s_2はじめてライヴを見た時に圧倒された。動きまわる激しい演奏に一糸乱れぬフォーメーション。1stステージと2ndステージの幕間に繰り広げられる余興。どれをとっても最高です。動きながらの管楽器の演奏は難しいけれど、リズムもピッチも乱れることなく聴かせる演奏力に圧倒されました。ジャズ、ジャンプブルース、レアグルーヴファンには体験してもらいたいサウンドです。 リーダーのゴウシ伝説に話を聴くことができたので、その時のお話をみなさんに。 どんな音楽を聴いていらっしゃったんですか? ゴウシ:中学生のころはXやLOUDNNESSなどのハードロックが好きでした。それからヴィジュアル的に惹かれたイギリスのポップスやロック、例えばデヴィッドボウイとかそういうものが好きだったんですよね。 メロディアスな楽曲が元々は好きだったんですが、ジャズをやるというかジャズのテイストを持ったロックバンドで、パフォーマンスとして見ていて楽しいものをやりたかった。結成当初理想としたバンドはコーデュロイ(90年代のアシッドジャズムーヴメントに登場したバンド)でした。コーデュロイを知って、グルーヴィなものが好きになっていきました。 2006年にバンドを結成してからの話を教えてください。 ゴウシ:バンド結成してから2年くらいはグダグダやっていたんですが(笑)2008年くらいにメンバーが固定してからはしっかりやるようになりました。特に大阪で須永辰緒さんがやっていたイベントに出演させてもらってから変化が生まれましたね。元々は辰緒さんがやられている夜ジャズが好きで、CDをよく聴いていたんですが、そのイベントフライヤーに参加アーティスト募集というのがあったんですよね。何気なくCDを送ったのですが、その時には特に何もなく、初めて辰緒さんのイベントに遊びにいってご挨拶した時にその話をしたら、「CD送ってくれたよね?荒削りだけど、曲がとても良くて、覚えています。イベント出てみないか?」と誘ってもらったんですよね。そのあと夜ジャズのコンピレーションCDにも参加させてもらったんですが、その時はまだ、インディーズでCDとかリリースする前なのに、SOILとかクオシモードとか名だたるメンツに混ぜてもらいました。1stアルバムもこのくらいのタイミングでリリースしました。 たまたま、SOILがやっているあるセッションに飛び込みで参加させてもらった時に、「君たち何者??すごくいいよ!」という話になって、「大阪のカルメラです。」みたいなやりとりがあって(笑)3回くらいですかね、そのセッションに定期的に参加させもらっていたら、「今度リキッドルームでライヴやるから、オープニング出てみない?」という話になりました。 これがきっかけで、東京でのライブにも徐々にたくさんのお客さんに来ていただけるようになってきています。辰緒さんとSOILのみなさんには足を向けて寝れないないですね。 今回のカバーアルバムについて教えてください。 ゴウシ:ライヴ自体オリジナルを6割、カバーを4割くらいの構成でやっているのですが、お客さんから「あのカバー曲好きなのに、CDにならないの?」という話をいただくことが多かったので、それならアルバム1枚まるごとカバー曲で作ろうということになりました。バンドメンバーは好きな音楽がバラバラなので、カバー曲をやるにあたっては、まとめるのを大変だったんですが、バンドサウンドは独裁的な人が出てくると、面白い音楽が作れないと思うんですよね。民主主義的に多数決で決めてます。こばやん(小林洋介・トランペット)は一番年下ですが、いろんな音楽を知っているので、そういうところからも刺激を受けますね。 今のようなライブのスタイルについて ゴウシ:大阪人に生まれてしまったのがまずかった(笑)最初のうちは淡々とライヴをやっていたのですが、いつの間にか笑かしにかかるようになって(笑)今のスタイルになってきました。全編通してエンターテイメントをやりたい。 自分たちはクールな楽曲も演奏したいと思いますが、クールな演奏した後に、クールでかっこよかったと言うより、楽しかった、面白かったと思って、遊びにきたお客さんには帰ってもらいたいと思っています。 なので、リハーサルではライブの起承転結を意識していますね。 CDだけしか聴いていない人にとっては、僕たちのライブの楽しさと言うのが伝わらないのが残念です。是非ライヴを見に来て欲しいと思います。ハッピーがテーマなので、みなさんにハッピーな気持ちで帰っていただけるように心がけています。 カルメラオフィシャルサイト カルメラ/Mix Modern Covers
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Mmk精力的に活動するファンクバンドMOUNTAIN MOCHA KILIMANJARO(マウンテン・モカ・キリマンジャロ、以下MMK)。日本のみならず、海外でのライブを重ね、年々パワーを増していく彼らのパフォーマンスは必見だ。 今回のカバーアルバムに前後して、7インチシングルを連続リリース。DJ文化と密接にリンクする音楽をクリエートする彼らだけに、レコードの持つ意味を深く理解し、愛情をそそぐ。 このCDはどのようないきさつで制作することになったのですか? MZO:去年シングル6枚出すぞって決めた時に、B面はカバー曲にする予定だったんです。 BOBSAN:後々まとめてカバーアルバムにしようと思ったんですよね。 DATで録音しているんですよね? BOBSAN:そうですね。いわゆるA-DATというやつでビデオテープと同じです。エンジニアさんのとの相性が良くなってきているので、自分たちの音が出せるようになってきた気がします。今まではテープにこだわっていたのですが、これからメディアはこだわらずにレコーディング出来ると思います。 MZO:今回のアルバムではいくつかレコーディングスタジオも変えていて、場所によって鳴りとかも全然変わってしまいますから、メディアと言うより、エンジニアとの相性が良くなってくるほうが大切ですね。 アナログのミックスとCDのミックスって変えているのですか? BOBSAN:若干は変わっていますが、大きく変えていることはないです。先日Family(渋谷のクラブ)でプレイしてもらったんですが、アナログの音だとちょっと物足りない感じしました。ハイが出過ぎで、ローが足りない感じになっていて、全体がぼやけちゃっている感じがしましたね。最後のミックスまで立ち会っているんですが、やはり現場のスピーカーで聴かないとわからないなって感じました。 MZO:やっぱり音のチェックはクラブでしないとだめだね。 シングル6枚連続発売というあまり他のバンドがやりそうにないことを掲げていますが。 BOBSAN:僕らはクラブミュージックが好きで、クラブに行けばDJがプレイしているのはアナログです。自分たちの音楽をDJにかけてもらいたいし、アナログってかっこいいじゃないですか?そういうこともあって、レコードは絶対に出し続けたいと思っています。 今までは海外でプレスしていたので、大人の事情でリリースが当初より大幅に遅れましたが、今後は国内プレスに切り替えるので、タイムリーに発売していくことができると思います。6枚必ず出します。当初は1ヵ月に1枚ずつリリースする予定だったんですけどね。(笑) MZO:今回のアルバムでは昔からライブでやっていた曲を形にしてまとめたような部分もあります。ライヴに来てくださっている方が聴いてくれたら、喜んでもらえるんじゃないかなと思います。 Jacket_2 制作にあたって気を遣った部分は? BOBSAN:あまりマニアックにならないように心がけました。 MZO:最初メンバー間で曲決めするときに、スタジオのホワイトボードに書き出したんですよね。結構な曲数があって、そこから絞りこんでいきました。 BOBSAN:アイズレー・ブラザースとかマーヴィン・ゲイも候補に挙がったんですが、自分達のアレンジが活かすことができる曲を選びました。なんか対抗意識があるんですよね。オリジナルを超えるぞ!みたいな。 MZO:ファンクバンドがファンクやソウルのカバーをやるってのはあまり面白くないって言う気持ちもあるし、カバーはオリジナルと全然違う雰囲気にすることができるのがいいのであって、オリジナルをそのまま自分たちがやっても意味がないですからね。僕たちのカバーはアレンジし過ぎるという指摘もあるのですが、あくまでもMMKとして、らしさを追求したカバーアルバムになっていると思います。 自分の意見であって、バンドの意見ではないんですが、ジャズのカバーはやりがいがあると思うんですよ。テーマ、アドリブ、リフと考えた時、これをそのままやっても意味がない。そこをどのように料理するか?というところにこだわりがあります。 例えば、このリフのこの部分を使ってみようとか、ヒップホップのサンプリングに近い発想ですね。別の曲になるんだけど、オリジナルの雰囲気は残るみたいな。 BOBSAN:どのリフを抜き出して、どう再構築するかってのは肝ですね。 アルバム発売後のツアーとかはあるのですか? BOBSAN:特にその予定はないですが、先日まで3週間オーストラリアに行ってました。公演数は14回で、3日に2回ペースでやってました。移動日を入れるとかなりハードツアーでしたが、最後はいい感じに力が抜けていい演奏になっている感じでした。 TEMJIN:オーストラリアのお客さんは楽しもうと思ってきている人が多いので、演奏を始めるとすごい勢いを感じるんですよね。日本だとフロアがあったまるまで時間がかかりますね。 BOBSAN:5月にニューアルバムを予定しているというのもあって、これからそちらの作業に入っていきます。アルバムはCDだけでなく、前回同様LPのリリースもしますよ。俺自身、クラブシーンと密接につながっているという感覚があるので、DJがプレイするのはアナログで!という感じ。あと、レコードってデカイじゃないですか?あれがいいんですよ。買ったぜ!みたいな満足感がいいんですよね。元々CD世代なんですけどね。古いのかな感覚が(笑) MZO:やっぱりデカいっていいよね。MMKの音楽はDJユースであるべきだと思うんですよね。DJ的な発想でレコーディングをすることはないですが、ライブのセットリストを作るときにDJ的な発想で考えたりしますね。 最後にリスナーのみなさんへメッセージを。 BOBSAN:世代を超えて聴いてほしいですね。60年代、70年代はジャンルに関係なく、アーティストの交流があったと思うんですが、最近のミュージシャンは細分化が進んで、閉そく感があると思います。選曲を見てもらうとわかりますが、今回のアルバムに収録されている曲にジャンルは関係ない。これは音楽をやっている人にも投げかけたいメッセージです。ファンクやソウルだけでなく、もっといろんな音楽がクロスオーバーすることで新しい音楽を生み出すことができないかと思います。音楽を売るために作られているのは仕方がないけど、それ以外に良い音楽は沢山ある。音楽に対する熱狂する気持ちをこのアルバムを通じて感じて欲しいです。 TEMJI:カバーアルバムではなく、マウンテン・モカ・キリマンジャロのサードアルバムだと思って聴いてほしいですね。原曲に忠実にやっている曲もあるし、アレンジしまくっている曲もあるので、そこから原曲に興味を持って、原曲を探して、聴き比べて欲しいです。 MZO:温故知新と言うタイトルはBOBSANが考えたんですが、時代が流れていくと、どんなにいい曲でも埋もれてきてしまう。今の人たちは例えばKARAを聴いている人たちは音楽だけでなく、それ以外のKARAの情報もあってKARAを聴いていると思うんです。俺らからすると、単純に曲だけを聴いて演奏できるから、演奏する曲に対して音楽以外の情報はないので、余計なことを考えず、プレッシャーを受けずにレコーディングすることができました。例えば、ミスチルをカバーするとなったら大変じゃないですか? このアルバムで演奏した曲はみなさんにとって音楽以外の情報はないと思うので純粋に楽しめると思います。 Mountain Mocha Kilimanjaro/Visiting Old Learning New 温故知新 サウンドファインダーでマウンテン・モカ・キリマンジャロのアナログ買うならこちら マウンテン・モカ・キリマンジャロのCDはこちら マウンテン・モカ・キリマンジャロ オフィシャルサイト

Kokyu_jake2 4月18日に4thアルバム「呼吸」をリリースするShima & Shikou DUO。今回のアルバムは彼らの最高傑作。断言します。際立つメロディ、構成、深い音色。どれをとっても素晴らしい。人はジャズに何を望むかわからないけど、ジャズの醍醐味はテーマの美しさと演奏家のインタープレイだと思っている僕にとって、このアルバムは紛れもないジャズ。時に激しく、時にやさしく、音楽と対峙する彼らの音楽はすべての音楽ファンに聴いてもらいたい音楽です。 ・先日は霞町音楽会にご出演いただきましてありがとうございました。 伊藤志宏(以下I):とてもいいイベントでしたね。お客さんが良かったと思います。いくつもイベントに出させてもらっているので、会場の雰囲気の良さはすぐにわかりましたね。 ・素晴らしいアルバムが完成しましたねP1010196s島裕介(以下S):WATER WATER CAMEL(ウォーター ウォーター キャメル)の田辺玄君のアイデアで、ホールで録音することになりました。 彼は録音技術に関して素晴らしい見識を持っているので、彼にミックスもお願いしたんですが、ピアノもトランペットも素晴らしい音色で、求めていた作品が完成したと思っています。 ・メジャーで出した後、自主レーベルを立ち上げて今回のレコーディングに臨んだ経緯は? S:シーン全体がよい状況とは言えず、条件面で折り合いが付かないのではないか?と思っていたので、当初からレーベルを探すことと、自分のレーベルを立ち上げることの二つを考えて、今回のアルバム制作に臨んでいます。 どうなるかわからないまま、最初にレコーディングすることを決めてしまいました。結局自主レーベルからリリースすることにしたので、作品を作ることはもちろん、事務的な裏方の仕事も全部やりました。 I:僕は演奏するだけで何もやってません(笑) S:昔からそういう関係だったんで、何も違和感ないです。僕はそうやって生きてきた(笑) ・どうして呼吸というタイトルにしたのですか? PicS:アルバムを通して、「息」の感じが伝わってくると思うんですよね。息が合うと言うのが音楽の醍醐味だと信じていて、アンサンブルの究極だと思っています。 I:今までも呼吸は大切にしてきたんですが、それが今回はより強く意識されていると思います。管楽器奏者と歌手のブレスって、演奏していて聴こえる人と、そうではない人がいるんです。聴こえない人とはうまく演奏出来ない。ブレスポイントは人それぞれ違うんだけど、これがわからない人には合わせられないんですよ。これが聴こえないとアンサンブル出来ません。こういうことをShima&Shikou DUO(以下SSD)を通じて鍛えてきましたね。 一昨年は全然二人でライヴやってないんだけど、昨年くらいからまた一緒にライヴを始めて、改めてそういうことを強く思いました。 S:一昨年は新しいことをやらなきゃいけないと感じた時期でもあったんですよ。自分自身の広がりを追求することをしなければならないと思っていました。プロデュースしたり、今までは違うことにチャレンジしたんですが、この人(伊藤)はずっと、演奏ばかりしていましたね。 I:ぼくはピアニストだから。。。僕はSSDの延長線上でいろいろなところで演奏させていただきました。 S:僕はなんでもやりたい人なので、面白いこと、楽しいことがあれば、なんでも首を突っ込んでいきますが、自分がやれば、自分らしいサウンドになるので、ジャンルとは関係なくやっているつもりです。でも、これがリスナーのみなさんになかなか伝わりづらい。今回のアルバムのエンジニアはエンジニア専門でもなく、ジャズ専門でもない人がやっている時点で、僕はジャズだけを意識していないです。 I:今回のアルバムには今までの経験が素直に表現できている感じがします。何も分からないまま「雨の246」を制作したら、面白いミュージシャンがいるという感じで取り上げてもらって、そこから2枚目をリリースして、3枚目をメジャーからリリースしてという感じで。メジャーリリースではいろんな制約条件がある中でやらなければならないという経験もし、いよいよ今回が自分たちの音を作るという点ではファーストアルバムなのかなという感じがしましたね。 S:2枚目、3枚目はオーディエンスを意識して作った感じだけど、今回のアルバムは自分たちのために作ったと言う感じです。自分が良いと思う音楽を作りたい。その音楽は自己責任において自分で販売するという意識がありましたね。今までの経験があるので、自分たちのために作ったとは言え、今の時代を見ながら作ってはいるんですが。 今回のアルバムはいろんな音楽を聴く人からはうれしい評価をいただけるんだけど、クラブジャズみたいな音楽をなんとなく聴いている人には理解できないかもしれない。だけど、こういう人たちも最初聴き流してでも、アルバムを聴いてほしいんですよね。 発売後は全国をツアーで周るので、是非会場に足を運んで、僕たちのライヴを見てほしいです。 I:ツアー前に練習しないと(笑)レコーディングだから演奏できたということもあるしね。 どんな人に聴いてほしいですか? I:最近お気に入りの音楽がないんだよなぁと思っている人に聴いてほしいアルバムですね。最近SSDの音楽に景色が見えると言われるんですが、見えて当たり前なんです。そんなに景色が見えない音楽を普段から聴いているの?と尋ねたくなりますね。 今回はスタジオではなくて、ホールで録音したこともあって、音の広がりと言う点も素晴らしく、そういうものも影響していると思います。ホールは音の鳴りがひたすら拡散していく感じですね。普段の5倍くらい(笑) 通勤中にi-podとかで聴いても、よほど大きな音量にしないと、聴きとれないかもしれない。そういう意味でもプラベート的な作品かもしれませんね。 普段あまり音楽とか聴かないんですか? S:今雑誌の連載をやっているので聴いてますよ。最近はメッセージャーズを聴きまくりました。面白い話があって、Art Blakeyは元々ピアニストだったんだけど、うまい人が後から入ってきちゃって、「お前は太鼓でも叩いてろ!」と怖い人に言われたとか(爆笑)どこまでほんとかわかりませんが。 I:何年ぶりかに必要に迫られて、移動中に音楽を聴くようになりました。最近パフューム聴いてます。あれはよくできてますね。 最後にリスナーの方に一言 S:いろんな人に聴いてもらって、売れて欲しいですね(笑) Kokyu_jake2_2Shima&ShikouDUO/呼吸 Shima & Shikou DUOの作品はこちら Shima & Shikou DUO オフィシャルサイトはこちら。 アルバム収録曲についての解説もあります。 追記 島裕介の別プロジェクトで霞町音楽会第2回に出演する事が決定しています。詳細はこちら 5月2日開催です。お見逃しなく!

Joeこの間、来日した時に少し話をする時間をもらい、今の音楽業界どう思っているのか?という話を聞いてみました。あなたは20年前とは全然違うところに行ってしまいましたね。と伝えると、同じことをずっとやっていても進歩がないからね。と答えたのが印象的でした。

音楽産業では昔からそうだけど、売れるものを作る傾向にある。これは経済活動だから仕方がないことだと思うけど、僕は音楽は経済活動であると同時に、芸術であるということも忘れてはならないと思う。 制作するとき、僕は自分が感じる音楽を作ることを心がけるようにしている。例えばK-POPが日本で流行っているみたいだけど、僕はすべて同じように聴こえるし、自分がやるべき音楽ではないと思っている。 ま、大金を稼ぐためにはいいのかもしれないけど、他にも、レディガガとかさ、そういうのはやらないよ。 アーティストは自分が考える芸術とはなにか?という問いについて、それぞれの答えを形にしていくものだ。僕の音楽に対するアプローチは何が商売になって、何が売れるのかとか、そういうことを考えることなく、自分が今その時点で感じているものを音楽にすること。これがすべてだ。すべての人がどうありたいか、どうなりたいのか、そういう想いに向けて進んでいくことが今は大切だと思うよ。 多くのレコード会社は利益を得て、金を稼ぐことがミッションだけど、僕のレーベルはそれを大きな目標としていない。僕が目標としているのは、アーティストが良い音楽を制作し、それを理解してくれるリスナーに届けることで、それができた時に対価として大きな喜びを僕は得られる。僕は生れた時から家には音楽があふれていたし、音楽を大切にする想いはこのころに培われたものだと思うよ。音楽はとてもパワフルなエネルギーを持っている。だからすべての人に音楽をもっと楽しんで、大切にしてほしいと思っているよ。そのためには音楽を聴き続けることが大切なんだ。 PCで音楽を作ることができるようになったけど、僕はPCで音楽を作ることは反対だ。素晴らしいミュージシャンがいるからね。最近リリースしたHerve Samb & Daniel MorenoのKharitというアルバムだけど、Herve SambはPharoah SandersやHerbie Hancock、AMadou & Mariamのツアー・ギタリストとしても活動してきたセネガル出身のミュージシャン。Daniel Morenoは昔から僕の作品でパーカッションをプレイしてくれているミュージシャンなんだ。 こういうミュージシャンがいる限りドラムマシーンやサンプリングにとって代われることはないよ。素晴らしいミュージシャンが作った音楽はずっと残る。例えばMiles Davisの音楽は常に再発が繰り返されていて、どんな世代の人にも支持されているだろ?良い音楽は世代を超えて残っていくものだよ。 僕のような音楽の作り方はとてもお金がかかる。だからリスクが高いんだ。「これがかっこいいからこれと同じことをやってみよう」というような感じで音楽は作れるものではない。こんな作り方だったら、お金もかからないからリスクもない。簡単なんだよ。でも僕は素晴らしいミュージシャンと一緒に良い音楽を作りたい。 これはDJでも一緒。最近では配信サイトで音源を買うことができるようになったけど、みんな似たような曲をダウンロードして、PCの画面を見つめてDJをしている。DJは一つのアートフォームなんだよ。視覚的にもレコードがターンテーブルに乗っているほうがワクワクするだろ?PCDJは若い世代にとっては普通のことなのかもしれないけど簡単だよね。でもここではアーティストを必要としていない。 もちろんダウンロードにも良い面はあって、素早くいろいろな所に届けるられるというのは便利だよね。 でも、僕は音楽を愛すると言うことは視覚的にも楽しむことだと思っている。これは思い入れにもつながると思うんだけど、ダウンロードしたファイルはすぐに削除できるけど、レコードやCDはそういう風にはならないよね。 どっちを選ぶかは個人の自由だけど、僕はこれからもレコードやCDに恋し続けるだろう。
Herve Samb & Daniel Moreno/Kharit JOE CLAUSSELLの関連作品  

Artistphoto_1平戸祐介は会うたびに力強くなっていく気がする。初めて会った時の遠慮しがちに話をする様子からは想像できないほど、自分のやっているジャズに自信がみなぎっている、そんな印象を受ける。ハードバップやワルツ、4ビートをジャズだ!と盲信するジャズマニアにはわからない境地。自身初となるソロアルバム「Speak own words」を来年早々リリース、その新作について話を聞きました。 今回アルバムについて教えてください。 平戸:レーベルからソロアルバムの打診があり、このアルバムのために曲作りをしました。年間約120本のライヴをやっているのですが、いろいろなミュージシャンと演奏することでインスピレーションを受けている部分もあり、NY時代、学生の頃にセッションをやっていた経験というのかな、そういうものがそのまま閉じ込められている感じです。 アルバム制作にあたってはオーディエンスを突き放したくない、これはquasimodeでも一緒なんですが、そういう意識がありました。ライヴに足を運んでくれるファンに楽しんでもらいたいということを意識しました。 いろいろなタイプの音楽が収録されていますが、ジャズは僕の中心です。でもそれは一般的に言われているハードバップなどのスタンダードなジャズではないでしょうね。ジャズは常に化学反応を起こし、分裂して、また融合してきたという歴史があります。ジャズだからといって、ハードバップをやる必要はない。あれは50年代のヒップなフォーマットだったけれど、オールドスクールすぎる。このアルバムは僕が考えるジャズそのものです。 カバー曲についても僕が考えるジャズというものにフィットするような楽曲を選んだつもりです。旧態依然な感じの音楽ではないものですね。伝統芸能音楽的なジャズは自分はやらなくていいかなと思います。もちろん演奏するのは好きですよ。例えば「A列車やろうよ」って感じで、ジャムセッション的な感じで演奏するのは楽しい。だけど、作品として残すことやおおっぴろげにジャズコンサートとかやることは興味がない。 でも、大金を積まれてスタンダードなジャズを演奏してくれと言われたらどうします? 平戸:大金!? それだったらやるかなー。生活は大事ですからねぇ(爆笑) でも、そういうオーダーをする人は僕の演奏を気に入らないと思うな。演奏したとしても、納得してくれない気がします。 最近いろんな音楽を聴いているんですよね。中でもレゲエをよく聴いています。 Monty AlexanderとEarnest Ranglin、Sly & Robbieのジャマイカンジャズを先日観に行ったんですが、とても感動しました。でも、生粋のジャズファンからすると、ジャズではないと思うでしょうね。NHKで先日放送されたMiles Davisのライヴですが、あれもジャズとは言わないと思う。 アルバムタイトルについて教えてください。 平戸:ジャズは絶対に自分で伝えることが大切な音楽。自分自身のメッセージを届けたいと思って付けたタイトルです。NYで感じた、ジャズはどうあるべきものか?ということやバンドを通じて培ったものとかそういうものを表現したかったんです。ジャズは自分の技量を見せる音楽だけど、例えば、一緒にやっているミュージシャンが想像しているものと違う演奏を自分がした場合に、そのイメージの沿う形で演奏することも大事なんだけど、自分も忘れてはならいない、自分自身の気持ちを演奏に乗せることが大切なんです。 quasimodeのアルバム「Magic ensamble」に収録されているNo more sadnessが再録されています。 平戸:震災直後のライヴでソロで演奏していたのですが、ライヴに来た人がその時の事を思い出して欲しくて再録しました。絶対に忘れてはならないことだと思うんです。だから収録しました。 震災直後は音楽やっていること自体が罪悪感のように自分に重くのしかかっていたんです。自分は必要とされているのだろうか?と真剣に考えたこともありました。でもquasimodeのツアーで最後、東北に行った時に、みんなが音楽を求めてくれているんだなとわかったことがうれしかったし、被災された方に逆にパワーをもらった気がしました。 ところで、共演したいミュージシャンはいらっしゃいますか? 平戸:渡辺貞夫さんですね。ジャズを始めたころ好きになったアルバムがナベサダさんのアルバムだったんですよ。 最後にリスナーにメッセージを 平戸:今回のソロアルバムは一匹狼でやってきたソロピアニストとしての経験、quasimodeで培った経験が凝縮されているアルバムです。平戸祐介そのものを表現した作品なので、是非みなさんに聴いていただいて、ライヴに足を運んでもらいたいです。最近は若い人以外にも年配の方もいらっしゃってくださっているので、是非足を運んでください。1月29日はBLUE NOTE 東京でソロライヴがあります。ご期待ください! アルバムのオープニングは静かな、いわゆるスタンダードなジャズナンバーで始まりますが、曲を追うごとにアブストラクトヒップホップ、ダンスクラシックカバー、NU DISCOとジャズとは全くかけ離れた音楽に突入していきます。彼の会う時に尋ねることで決めていたことは、「何がジャズなのか?」ということでした。 「旧態依然としたジャズは伝統芸能音楽」とばっさり切り捨てる、彼が考えるジャズ観が少しでも伝えられたのであればうれしいです。 Albumjkt_1平戸祐介/Speak Own Words
収録曲 01. Taxi Driver Theme 02. 生まれたてのメロディ feat. bird 03. I'm In Love 04. Against The Invisible Wall feat. Tomoki Seto(Cradle Orchestra) 05. And Far Away 06. A House Is Not A Home feat. 元晴(Soil&“Pimp”Sessions) 07. Down To The South 08. Love Will Bring Us Back Together Feat. mabanua 09. Spectrum 10. No More Sadness(Solo Piano Version) 11. Music feat. 畠山美由紀 12. Love Is A Losing Game <参加ミュージシャン> ■バンド  Drums:藤井伸昭(Sleep Walker) Bass:工藤精 ■トラックメイカー  Tomoki Seto(Cradle Orchestra) mabanua ■ゲストアーティスト  畠山美由紀、bird、元晴(Soil&“Pimp”Sessions) 平戸祐介特設サイト

Tk_ashaBIG ROOM以来、2年ぶりとなる瀧澤賢太郎の 5thアルバムLove & Happinessが12月7日に発売になる。震災以降自分に何ができるかを問い続け、ようやく産み落とした作品は、これが最後のアルバムで、引退になっても構わないという覚悟で臨んだ自信作だ。 人を幸せにする音楽を作ることが自分の使命と言い切る瀧澤賢太郎に作品についての想いを聞きました。 最近はどんな音楽を聴いているんですか? 個人的に今の時代のハウスが面白くないと思うんですよね。ディープハウスは極端にディープだし、派手な音楽はとことん派手で、90年代にあったようなR&Bシンガーとハウスクリエイターが自由に音楽を作っていたような、程よい、おいしい感じのハウスが少なくなったように思う。今回のアルバムではそこを作りたかった。それで共同プロデューサーには、R&Bプロデューサーとしてトップを走っていらっしゃる今井了介さんとご一緒させていただいたんです。ハウスは4つ打ちの中にいろいろな表情があると思うんです。それが好きだったんだけど、最近のハウスはそこを感じなくなった。ドラムンベースに最近ハマってるんですが、ハウスを初めて聴いた時に感じた、いろいろな表情をドラムンベースは持っていると思うんですよね。年末には12/22@ageHaの、m-floさんのパーティで、ドラムンベースでDJをやる予定もあります。 BIG ROOMをリリースした2年前はハウスに影響を受けた初期衝動をうまく表現したいという欲求が強くて、かっこつけてたと思うんです。かっこいいものを作らなきゃ!って思っていて、そのころのDJもかっこつけていて、全然良くなかったと思うんです。ハウスはかっこいいものだ!それを伝えることこそが自分の存在意義だと思っていたんです。 ところが、この震災で余計な価値観がなくなったしまったんですよね。飾らなくなったような気がします。Love & Happinessというタイトルは昔からいろんな人に自分を形容する言葉として言われていたんですが、ありのままの自分を表現したいと思い、アルバムにもそのまま付けることにしました。 今回の作品について教えてください。 元々ジャンルの壁は要らないと思って音楽を作っているので、ハウスを知らないようなJ-POPを普段聴いている人にも聴いてほしいと思っています。いい音楽はジャンルに関係なく、いいものはいい。 今回、ゲストヴォーカリストにR&BシンガーMIHIRO(マイロ)さんやMONEY MAJIKのMaynardさんやTEEくんを始め、ポップフィールドからクラブフィールドまでいろいろなタイプのシンガーに参加してもらっていますが、形式的な人選ではなく、自分の作品として最終的に自分が判断し、納得できるものを作りたかったので、最後まで悩んだ部分もあります。 アルバムは震災前から制作に入っていましたが、震災の影響で、何もできなくなってしまったんです。音楽という仕事に対して、疑問を持ってしまって・・。 自分の仕事は人の命を助けられないって思ったら、何も手がつかなくなった。でも、看護師の友人から「これから、お前のやっていることが必要な時が来るから」と言われ、それ以降、世の中を元気にできる、人を幸せにできる音楽を作ろうと考えるようになり、震災前のデモトラックはすべて破棄しました。 今回のアルバムではARIGATOUという曲が精神的な部分での重要な曲です。またR&BビッグアーティストMIHIRO(マイロ)とハウスの瀧澤賢太郎の共演ということでThis world is beautifulは90年代ハウスへの憧れを形にした曲なので、特にみなさんには聴いてもらいたい曲です。 歌詞については全員に共通のディレクションを設けてるんですが、今回のテーマは「感謝することを忘れずに身近なこと、日常が喜びということを伝えたい」でした。特にARIGATOUは、曲の種は僕がつくり、その種に今井了介さんに手を入れていただき、有坂美香さんに歌詞を付けていただいたのですが、有坂さんがやっていらっしゃるThe Sunshowersというクワイヤに参加してもらっています。有坂さんはクワイヤのメンバーに歌詞を渡さず、メロディを口づさんで、一つ一つ口頭で伝えていくんです。その時言葉の意味も子供たちに理解してもらって。 ビデオも制作したので、聴いてみてください。 制作を振り返ってみていかがでしょうか? ゼロから作るのはすごく難しくて大変ですが、その苦しさとゴールした時の喜びを知っているので、作り続けることができるのでしょうね。言葉じゃなくて、自分がこれをやらねばならぬという使命感がありました。 最近音楽を作ることが簡単になってきていると思う。若手クリエイターからデモをもらうのですが、みんなある程度のところまではできているんですよ。そうですね、ゼロから6くらいまではだれでもできる。でも感動は7から10を達成した時に感じるものだと思うんですよ。 そこは、ほとんどの人がたどり着けない、辛抱しながら、頑張った人だけが到達できるところですよね。制作中耳鳴りがしたり、左右の耳のバランスが狂ったり、体に不調が起こって、ホント死ぬ思いだったのですが、こんなことは今までになかったことです。そんな状況でもどうしても成し遂げたかった。 もう2度とこのようなアルバムを作ることはできないと思うし、今年だからこういうアルバムが作れたと思っています。これで引退でもかまわない、そのくらい覚悟で制作しました。 リスナーのみなさんにメッセージを 震災以来、本来あるべきはずの多幸感がいろんな人からなくなってしまったと思うんです。 今回のアルバムはそこを埋めるための作品、なくなってしまった部分をこのアルバムを聴くことによって取り戻してほしいと思っています。言葉でも意味でもなく伝わる何か、つまり元気を与えることだったり幸せになってもらうことだったり、ポジティブな部分を感じてほしいです。 今年はハウス以外のアーティストのリミックスやカバー曲をコラボレーションさせていただきました。自分の作品以外でいろいろな方々との交流を通して、世界が広がり、自分の作品についても今まで以上に幅が広がったと思っています。今自分が表現したい、極端に言うと無意識に作ったアルバムです。 発表後は全国各地にDJツアーで周りますが、自分で作った曲を自分がプレイするから説得力が増すと思っています。家でLove & Happinessを聴いて、そしてクラブにも遊びに来てほしいです。クラブで聴く音楽はまた違った聴こえ方をするものです。このアルバムを聴いていろんな人が幸せになってくれることを願っています。 Loveandhappiness_jktKentaro Takizawa/Love & Happiness
12月7日発売 Love & Happiness 01. Sun is Shining 02. Like a Cinderella feat.mico 03. This World is Beautiful feat.MIHIRO~マイロ~ 04. 6 in the Morning feat.ELLIE 05. I Live feat.Stephanie Cooke 06. ARIGATOU feat.Mika Arisaka & The Sunshowers 07. TEQUILLA feat.TEE 08. Love Waits feat.Heather Johnson 09. within you feat.Tomomi Ukumori 10. somewhere feat.Maynard Plant (blanc./MONKEY MAJIK) 11. Pray for the Earth Bonus Track 12. Like a Cinderella (Japanese Ver.) feat.mico

Tomoharumoriya_2ずっと札幌を拠点として活動してきたWORLD SKETCHが、初のフルアルバム「ワンダフル」をリリースする直前のことだった。サウンドファインダーblogでインタビューしたとき、そのアルバムからは、とっても幸せなヴァイブを感じ、誰もが欲しがるメロディを的確に表現したポップスとしてのダンスミュージックだと感じた。 あれから2年……。WORLD SKETCHがセカンドアルバム「Ready To Love」をリリースした。 前作では、老若男女を問わず、誰もが楽しめる音楽を目指していた。そのためにはヴォーカルがあるほうがいいと言っていたのだけれど、今作では、インスト曲も収録されている。そして、あのメロディアスさはそのままに、よりダンスフロアを意識した音に変化したのではないか、と感じた。クラブミュージックを中心に活躍するコンポーザー&マルチプレイヤーである守屋友晴にいったい、どんな心境の変化があったのか? そのワケを探ってみた。 --今作はインストが入ってます。3曲目のVolcanoを聴いたときに、心境の変化があったのかな? と思ったんですが、どうなんですか? 実はファーストアルバムを出してから、ダンスフロアによく出るようになったんですよ。すると、その空気感をどんどん取り入れていきたいな、と思うようになっていったんですね。特に僕はシンガーじゃないんで、自分が前に出ているアルバムなのに歌モノばっかりなのもどうかな、と。そこで、自分を主張出来る曲をもっと作りたいなぁ、と思うようになっていったというのがありますね。 --アルバム全体を通して、ダンスフロアの音を意識したフィーリングが入っているなぁ、と感じました。特にタイトル曲になっている1曲目のReady To Loveを聴いていて、かなりダンスフロアに行くようになったのかなぁ、と。 曲の構成なんかも、凄くダンスフロアの空気感を意識するようになったんで、常にその場にいる人たちの動きを頭の中で想像しながら構成を考えるようになりましたね。Aメロ、Bメロまでは我慢して落としておいて、サビの部分でグッと盛り上げていって、ドーン! みたいな(笑)。 --ダンスフロアの空気を感じることによって、自身の曲作りで一番、何が変わったんですか? そうですねぇ……、〝踊れる音〟かな? それを今、一番意識しているかもしれないですね。ただグルーヴをキープさせるということだけじゃ満足できないというか、もっとその上を行きたいというか。フロアにいる人たちに、うねるような波を立たせたいという感覚ですかね。そこが、今回のアルバムでこだわったところだと思います。 --確か、配信のみでやっていたWe are the Worldのカヴァーが今回のアルバムに入っていて、最後にファーストアルバムのタイトル曲にもなったwonderfulの新しいミックスが入るという構成になっていますね。どんなイメージでこういう曲の並びになったんですか? それはですね、もし、この楽曲を自分でプレイするなら、この曲順でっていうイメージですね。 --なんか、 凄くDJ的な感じが……。もしかして、DJも始めたとか? そうです。始めたというか、今、やってます(笑)。DJプレイしながら、キーボードを弾くっていうスタイルでやっているんですね。それで、ダンスフロアで今、一番盛り上がるのがWe are the Worldなんですよ。それもあって、セカンドアルバムに向けて、当初はこの曲をメインにしようと考えていていたんです。だから、今作のアルバムのテーマは〝世界愛〟というか、世界を包み込むような愛、そういうイメージを抱いていました。でも、やっぱりメイン曲はカヴァーではなく、オリジナル曲がいいんじゃないかということで、世界愛をテーマにしたアルバムのタイトル曲になるオリジナルとして作ったのが、Ready To Loveなんです。 --手がけたリミックスだけ見ても、蒼々たる顔ぶれですよね。東方神起もあれば、FreeTEMPOにDOUBLE、浜崎あゆみ、幸田未來、中島美嘉、土屋アンナ……。何を求められて、多くの依頼がやってくると自分ではお考えですか? 歌を殺さずに、フロアライクにするアレンジですかね? けっこうフロア、フロアなアレンジにし過ぎちゃうと、メロディーが活きてこなくなる。それを殺さずにっていう、さじ加減が最も僕のこだわっている部分です。たぶん、そういうメロディアスっていうところで依頼が来るんじゃないのかな、と思いますね。 --音的には、ヨーロッパのハウスに近い感じもします。KaskadeやDeadmau5を聴いている人たちなら、 凄い喜びそうな音なんじゃないかなぁ、と思ったりしたんですけど、海外、特にヨーロッパ進出とか考えたりはしませんか? 海外ですかぁ……、まだちょっと早いかなぁ?(笑)。でも、チャンスがあるなら、ぜひ行きたいですけどね。ヨーロッパは、イギリスに行ったことがあるんですよね。その時、普通に住みたいなって思いました。街の雰囲気がすべてデザイン的というか、洗練された感じがもの 凄く好きですね。ヨーロッパ的な建物のデザインが僕は大好きで、実はそのへんの趣味がジャケットの中の写真とかに出ていますし、曲作りにも影響している部分もあると思いますね。 --曲作りで気を使っているところはどういうところで、書き始めはどうやって始まる感じなんですか? やっぱり、最初はピアノ弾きながらの鼻歌ですね。鼻歌で歌ってて、適当英語でデモを作るんですよ(笑)。で、歌詞はすべて適当なんだけど、勝手に韻を踏んじゃうんですよね。その適当英語の歌詞のハマりが 凄くいい、というか、良すぎるらしくて、それを上回る歌詞をはめるのが難しいってよく文句を言われちゃいますね(笑)。意味はまったくなくて、ただ響きだけで歌ってるんですけど……、Loveだけは頻発します(笑)。やっぱり、基本的にはイメージとして〝愛〟が根本にあるんだと思いますね。曲作りでこだわる、という意味では、インストのほうがこだわりが強くなってきたかもしれないですね。最近は、とにかくダンスフロアで聴いてカッコイイ曲を作りたい、というのがありますね。 --今回のアルバムのなかで、個人的に一番好きなのが、実はインストのVolcanoなんですよ。イロイロなエッセンスが入っていて、最後にウワァーって盛り上がっていく感じがイイな、と。アナログレコードもお願いします(笑)。 僕の周りでもVolcanoが一番好きだっていう人が多いんですよ。結構メロディーもミニマルで、ひたすらそれの繰り返しなんですけど、どう飽きさせないで聴かせるかっていうところを最後までこだわったんです。ダンスフロアで聴いて盛り上がる曲っていうのは、音の広がりとか高揚感を感じられる曲なんです。Volcanoは、そこに最もこだわって作った曲のひとつなんですよ。作曲もそうなんですけど、トラックダウンもミックスダウン、マスタリングまで、すべて自分でやってるんですけど、そこまでこだわるっていうのは、やはり、自分のなかに、曲の広がりというか高揚感の確固たるイメージがあって、それを完璧に創り上げたいというのがあるんだと思います。 --しかし、作曲からトラックダウンまで一人でやると、頭のなかがゴチャゴチャになったりとかしないですか? それが、僕の楽しみなんですよ(笑)。 --ドS、いや、ドMっぽいですね(笑)。 ドMのドSかもしれないですね(笑)。自分の頭の中には完成形のイメージがあるんです。でも、いざクラブでかけてみたら、ちょっと鳴りがイメージと違ったなぁ、と不満が出てきたりして、何回も変えちゃうんですよ。なんか、つきつめよう、つきつめようとしちゃって、けっこうみなさんにはご迷惑をおかけすることも多くて……(笑)。 だけど、ここまでこだわれるっていうのは、全部できちゃう僕にしかできないことなのかな、と思うし、やっぱり誰かにやってもらうとなると、気を使うじゃないですか。それで、今回はすべてを一人でつきつめてやってみました。 --そこまでつきつめるというのは、なかなかできないですよね。まるで武士のようです(笑)。 けっこう孤独でした(笑)。でも、好きでやっているので。完璧主義者的なところもあるかもしれないですけどね。 --現時点でWORLD SKETCHが描いている夢スケッチみたいなものってあるんですか? 名前が立っているクリエイターというか、プロデューサー的存在で、サウンドプロデュース業をメインとしてやっていきたいですね。その目標に向かっていくための活動が、WORLD SKETCHという感じですね。 --ファーストアルバムはいろんな人に聴いてもらいたいとおっしゃってましたが、今回のセカンドアルバムはどんな人にアピールしていきたいですか? そうですね、やはりクラブ好きな人にアピールしていきたいですね。Ready To Loveをキッカケに、もっともっとクラブの楽しさを多くの人に知ってもらえれば嬉しいな、と思います。僕自身、今はクラブで遊ぶのが楽しくてしょうがないんですよ。やっぱり好きなんでしょうね、クラブが。 DJとしてプレイしていなかった守屋友晴が、実際にダンスミュージックをプレイするDJへと変貌していた。その活動のなかで、フロアで踊る人たちの〝空気〟を感じ、それを音作りに昇華させていった結果、自分の持ち味(メロディ、ポップさ)と、ダンスミュージックが持つ機能性が見事に融合した作品になったんじゃないか、と思った。今作を聴いていて、ダンスフロアを意識するとこういう感じの音になるんだろうなぁとは思っていたけど、まさにその通りだった。Deadmau5やKaskadeといったヨーロッパのハウスに興味がある人は、ぜひ、一度聴いてみて欲しい。 インタビュー サウンドファインダー新川宰久 構成・文 國尾一樹 Xnae10041_2WORLD SKETCH 2nd アルバム「Ready To Love」 2011.8.3 Release \2,625(tax in) XNAE-10041 "孤高のメロディストが奏でた旋律の欠片・・・" 2009年7月に発売した「Wonderful」でクラブヒットを生み出し、中島美嘉、May J.、BIGBANG等への楽曲提供が多くの話題となったのも記憶に新しいところ。最先端のクラブミュージックと独自のピアノを融合させた最新作を体感せよ! 【収録曲】  01.Ready To Love 02.I’m So High(feat. Sky Hy) 03.Volcano 04.Turn Back The Time(feat. Alexandra Prince) 05.Shinning City 06.Never Letting Go(feat. Jonathan Mendelsohn) 07.I Feel So Good【Because of You】(feat.Terrance Downs)”Dub Mix” 08.I’ll Leave U 09.We are the World 10.Tell Them About Love(feat. Lisa Rudolph) 11.Wonderful 2011(feat.Jonathan Mendelsohn)”Extended Mix” サウンドファインダーをご覧のみなさんへ World Sketch プロフィール CLUB MUSICを中心に活躍するコンポーザー / マルチプレイヤー守屋友晴のトラックユニット。 HOUSE、R&B、HIP HOPを軸とし、DANCE MUSICからメロディアスなバラード を中心に LOVE SONGをテーマとした楽曲を制作。 アーティストのサウンドプロデュースやハウスのコンピレーションCDのコンパイル、CLUBのプロデュースと、DANCE FLOORを核とした音楽制作のキャリアは約10年に及ぶ。 World Sketchの作品のリリースにあたり、親交の深いKING STREET SOUNDSの協力によりワールドワイドなシンガーとのコラボレートが実現。 近年は『ハウス・ディズニー』『ハウスネイション』への参加や様々なメジャー・アーティストへの楽曲提供が、話題を呼ぶ。

Quasimode_
quasimode(クオシモード)がBLUE NOTE移籍2作目、通算5枚目となるアルバム「Magic Ensemble(マジック・アンサンブル)」を1月26日に発売する。楽曲、演奏ともにますます熟成されたバンドサウンドに仕上がった最新作は、踊れるジャズを標榜する彼らの真骨頂だ。シングルカットされたボイスパーカッションプレイヤーAFRAを迎えたPVはすでに公開されており、ご覧になった方も多いことだろう。アルバムに収録されたMusic can change the worldは一聴すれば、誰もが口ずさめる軽やかなメロディが印象的な楽曲だが、その他の楽曲についても演奏、アレンジともに素晴らしい。特にドラムスの今泉総之輔のプレイは要注目。 インタビューではリーダー兼ピアニストの平戸祐介とパーカッションの松岡“matzz”高廣に話を聞いた。 ・バンドとしての一体感が増して、楽曲も演奏も前作以上にパワーアップしています。制作にあたってのみなさんの心持はどういうものだったのでしょうか? 平戸:バンド結成当初から言っている踊れるジャズというもの、また今までジャズやクオシモードの音楽を聴いたことがない人にも楽しんでもらえるような作品を作りたいと思って制作に取り掛かりました。楽曲では、より分かりやすさというか、普段J-POPとかを聴いている人でも、すっと入っていけるようなメロディや曲の中のコード進行についても今まで以上に工夫しました。 ・今回はゲストミュージシャンをすべて日本人にされていますが、これは何か意図があったのでしょうか? 平戸:今までだと海外の大物ジャズシンガーが作品にゲスト参加してもらう事が多かったのですが、気軽に呼んでライブをやったりすることができず、「あー、ここにいればなあ」と思うことがありましたので、今回の作品では再現性という切り口で日本人だけのゲストミュージシャンにしました。わかりやすさという点でも英語ではなく日本人が歌う日本語の歌詞にこだわりました。 松岡:前作を発表したあたりから、ライブ会場に来てくださるファン層が広がったんです。僕たちをきっかけにジャズを知ったという人たちも増えて来て、そのような人たちに対して直球勝負で響く音楽を作りたかったということもありますね。 ・先日の新世界のライヴでもMCで平戸さんが「踊れるジャズ」ということをおっしゃっていましたが、クオシモードにとってジャズとはどういうものなのでしょうか?具体的にはどんなジャズに影響されたのでしょうか?古くからのジャズマニア、評論家が考えるジャズとは一線を画すると思うのですが。 松岡:ここ何年かで、メディアを発信されている方々が僕たちの音楽を評価してくれるようになったんですよね。今までは目にも掛けてくれない感じでしたが(笑)メディアの方たちも新しいファンに対しても情報を発信したいという気持ちを強く持たれているところが多くなってきたように思います。 ジャズが日本に紹介された初期のころというのは小難しい音楽としてとらえられていたし、実際そうしないと伝わらないもので、これが日本独特のジャズ文化を作ってきました。でも、ジャズの歴史を紐解いていくと、元々はダンス音楽でしたし、娼婦などがいるような盛り場の音楽として発展してきました。 日本で一般的に認知されているジャズというものと僕らの音楽は明らかに違うけれども、僕たちがやっている音楽は紛れもないジャズです。もちろん古くからのジャズも好きですが、90年代以降に生まれたAcid Jazz、例えばBrand new heaviesやIncognitoなどの影響は割と強いと思います。 僕たちの音楽を好きではないというジャズ評論家やジャズファンはいるでしょうし、実際そういう声も耳に入ってきます。でもそういうものを乗りこえたところに僕たちの音楽があると思っています。そういうネガティブな意見をバネにしてますね。最初のころは大変でしたが(笑) 平戸:僕もそういう評論家の人たちがいることも知っています。なので、元々ジャズクラブで演奏することはあまり念頭に置いて来なかった。 松岡:元々リーダーは(平戸)いわゆる4ビートも演奏したがらないくらいでした。僕たちが信じるジャズはわかる奴だけわかればいいというものではなく、みんなが楽しめる音楽だと思っています。最近ライブに親子連れで来てくれるお客さんが多くなってきたんですよ。 ・アルバムタイトル「Magic Ensemble(マジック・アンサンブル)」に込めた想いなど含めてお伺いしたいと思います。 松岡:先ほどの話と関連するのですが、みなさんがイメージするジャズは一人リーダーがいて、あとはセッションミュージシャンが脇を固めて、個人の技量が試されるような即興演奏を楽しむというようなスタイルのものだと思われていますが、僕たちクオシモードは4人のバンドで、この4人がひとつの作品を作る音楽というものを深めていきたいと思っていて、そのような気持が反映されています。 ・今回のアルバムではドラムの演奏に惹かれました。前作発表の際、ドラムの今泉さんが「ドラムとパーカッションのおいしい関係を追及したい」という話をされていましたが、それが具現化したような作品ですが。 松岡:彼(ドラムス:今泉)は探究心が強く、自分がいいな思ったことは突き詰めていくし、音圧とか音質とかという部分も含めて、今回彼はいろいろと工夫をしてくれました。普通ジャズだとファンクっぽいリズムで2拍目と4拍目のスネアの音を強くしたりとか、そんなドラムはあまり演奏しないと思うのですが、そういうこと含めて、演奏の中で随所にいろんな工夫をしてくれています。 前作まではパーカッションが曲の屋台骨を支えるような、前に出ていく感じでしたが、今回はドラムが大きなレールを引いてくれて、パーカッションは華を添えるような位置づけになっていますね。 ・曲作りについて教えてください。 松岡:前まではリーダーと僕で作曲をしていたのですが、今回はメンバー全員で作曲をしています。今までのクオシモードは僕とリーダーですべての事をやってきましたが、他の二人がそうすると受け身になってしまうんですよね。それは良くないな、ということで、今回からは他のメンバーにも積極的にやってもらうように働きかけましたが、やってもらうだけでなく、ディスカッションやコミュニケーションをとることは絶えずやるようにしました。 こういう作業がよりバンドっぽいサウンドに聴こえるようになったと思っています。 ・個々の活動も積極的にやっていらっしゃいますが、そのような活動がバンドにどのような影響を及ぼしているでしょうか? 平戸:僕の場合はジャズミュージシャンとのセッションが多いので、良い意味でも、悪い意味でもジャズミュージシャンから影響を受けています。こういうのはクオシモードでもやってみる価値があるなとか、今までとは違うジャズを志向するミュージシャンがいたら、クオシモードに引っ張ってきてみようということは常に考えています。 今までの作品では、バンドアンサンブルというより、自分の演奏はどうか?ということばかりを僕は気にしていましたが、このような活動を通して、今回のアルバムではバンド演奏全体のバランスはどうなんだろう?ということを一番に考えていましたね。少し視野が広がったような気がします。 松岡:ステージングは勉強になりますね。 ・これからquasimodeのような存在は多くのフォロワーを作ると思うのですが、みなさんのような存在になるのは並々ならぬ努力をされてきたと思います。その厳しくて辛いことを乗りこえてまでも、音楽と向き合えたのはどうしてなんでしょうか? 松岡:最近特に考えていることなんですが、僕の中には反骨心みたいなものがあって、その反骨心を表現する場として音楽があると思うんです。その音楽を通じて、聴いてくださっている人々が幸せを感じてくれるということがこの上ない喜びです。 自分がやっているパーカッションセミナーにしても、パーカッションをやりたいと思っている方々にそういう場ができればと思ってやっています。 平戸:反骨心はありますね。先輩からはずっと、ちゃんとジャズをやりなさい。と言われ続けてきましたが、自分は今のスタイルが一番だと思っていて、信じて演奏しています。 ・リリース後の予定を教えてください。 平戸:ライブは3月11日から全国ツアーを予定していますので、是非僕たちの生演奏を楽しんで下さい! ※ツアースケジュールはこちら quasimodeからのメッセージはこちら 購入はこちらから今すぐどうぞ!!!初回限定盤です。 ニューアルバム「マジック・アンサンブル」についてはこちら EMIミュージックジャパン quasimode関連の作品はこちら

Img_2122 いよいよ発売となったMax Essaの2ndアルバム「WHITE SHOES BLUE DREAMS」は非常に完成度の高い作品となっている。ブラックミュージックに触発されたダンスミュージックというより、デヴィッドシルヴィアンなどの80年代ブリティッシュインベンションに触発された感じで、ダンスフロアだけでなく、ホームリスニングとしても楽しめる作品だ。あのミュージックマガジンで9点がついているということを本人に伝えると「うれしいね」って素直に喜んでいたのが印象的だ。 今までのキャリアについて教えてもらえませんか? もともとギターをやっていて、子供のころからバンドをやってたよ。 そのころはノイジーなパンクロックだったんだ。(笑) 友達の影響でパンク以外の音楽を聴くようになってからはイギリスの音楽だけでなくいろいろな音楽を聴いていた。スカとかも聴いていたよ。住んでいるところが都会ではなかったから、レコ屋も近所になくて辛かったけど。 本格的に音楽活動を始めたのは1993年にWarp Recordingsからのデビューがきっかけ。以後Paper recordings、D-Vision、Love from San Franciscoなどでリリースしてきた。 最近ではIs it Balearic?、Bear funkや自分のレーベル、JANSEN JARDINから作品をリリースしてるよ。 日本に来たのはどういう理由なの? 奥さんが日本人ということもあって、2年前に日本に来た。 前からどこか別の国に行きたいと思ったんだけど、奥さんのことをもっと理解したいし、日本人の文化的な背景を知りたかったんだよね。もし、奥さんが別の国の人でもその国に行ったと思うよ。 日本に住んでいることはあなたの音楽にとっていい影響を及ぼしているのかな? うん、それはそうだと思うよ。この2年間、沢山音楽を作ったし、いろいろな知り合いもできた。もし、ロンドンにずっといたら、ちょっと違ったんじゃないかな? ロンドンはとても厳しい状況で音楽活動が難しい。ロンドンの友達もみんな口をそろえて、戻ってこないほうがいいって言っている(笑)君は日本にいるほうが絶対幸せだよって言うんだ。 日本ならではの挨拶っていうのかな、日本人はどんなシチュエーションでも名刺交換するでしょ?でも、そんなことをロンドンでしてる人はいないんだよ。名刺交換するのは銀行員だけ(笑) 日本ではアンダーグラウンドなクラブでも名刺交換するし、これが人間関係を構築することにとっても役に立ってるんだよね。 ロンドンだったら、その時友達になっても、そこでバイバイしたら、連絡なんてとれっこないんだけど、日本では次の月曜日にはメールで「この間はどうもありがとう」ってコミュニケーションをしているんだよね。この結びつきが音楽を活動にいい影響を与えていると思う。 この2年間はいろいろなことを経験をしたし、いい時間を過ごすことができたと思っているけど、振り返ってみると、音楽活動という部分では、この夏まではあまり満足な活動ができていなかったような気もする。夏過ぎてからは沢山のレコードをリリースすることができたし、DJをする機会も増えた。 ロンドンにいるときと比べて制作するスピードとか変わらない? ロンドンにいるときには、音楽活動の他に生活費を稼ぐということもしなければならなかったので、音楽にすべての時間を費やすということができなかった。日本に来てから、音楽活動にすべての時間を費やすことができるので、スピードという点では前に比べて早くなったんじゃないかな? 元々作業は早いんだけどね。 すべての時間を音楽に費やしているので、時々飽きてしまったり、作っているものが分からなくなってしまったりすることがあるんだけど、そういう時は音楽から離れるようにしている。 どんな機材で制作しているんですか? ロジックとソフトシンセをいくつか使っているけど、ドラムはライヴドラムを使っている。これはロンドンにいるときに、ドラマーにBPMごとに演奏してもらったものを取り込んでいるんだけど、15パターン位のトラックがあるんだ。 ただ、ずっと同じドラムでは飽きられてしまうので、バリエーションをつけてうまく表現したいと思うよ。 ずっとギターを弾いているけど、決してギターをうまいとは思っていなくて、ベースなんてもっとヒドい(笑) ミュージシャンを使えばいいってことでもなくて、例えば僕がこうしたいと思うことでも、うまくミュージシャンに伝えることができなければ、制作するスピードも遅くなってしまうし、僕が作りたい音楽のフィーリングにフィットするミュージシャンがいないんだよね。音質的には自分の楽器の鳴りが好きなんだ。 ニューアルバムについてお伺いします。 WHITE SHOES BLUE DREAMSというのはどういう意味があるのですか? また、どのくらいの製作期間だったのですか? 単純に語呂がいいからっていうだけなんだけど、WHITE SHOESというのはイギリス人がバカンスを楽しむときに大抵の人は白い靴を履いているんだよね。BLUE DREAMSというはちょとエッチな夢、ポルノ映画をブルーフィルムって言うでしょ? BLUEはエロティックな意味の象徴なんだ。 アルバム自体は2009年くらいから作りか始めたんだけど、収録された12トラックすべてを日本に来てから作ったよ。 日本人や日本に詳しい人しかわからないようなタイトルもあるね。 Enoshima Mon amorだね。これは去年の夏に江の島に行った時にインスパイアされて制作したんだ。曲のタイトルをつけなきゃって思ったんだけど、なかなかよいタイトルが思い浮かばなくて。 そんなときに、昔John Foxという人がHiroshima mon amorという曲を歌っていたなって思い出したんだよ。広島と江の島、言葉の響きに似てるなって思って、そんなタイトルにした。 アルバム発表後、周りの環境とかに変化はあった? このアルバムをリリースしたことによっていろんな人が僕に注目してくれるので、うれしいね。いろんな人からメッセージをFACEBOOK経由でもらったりする中で、DJの依頼なんかも貰うんだけど、僕が日本に住んでいるので、海外へ行くとなると交通費がバカ高くて、みんなびっくりするよ(笑) でも、来年はSteve Kotey(BEAR FUNK)と一緒にヨーロッパツアーを予定しているよ。 音楽産業はとっても厳しい状況に直面しているけど、アルバムをリリースすることは難しくなかった? アルバムを製作することほど難しいことはないよ! 実際のところ、音楽をレコードやCDのようなフィジカルなものとして売ることはとても難しくなった。15年前僕がPaper recodingsでプレスしたレコードは5000枚から6000枚の間だったんだけど、今ではそれが400枚から500枚位になってしまっている。CDなんてもっとひどい状況だ。こんな状況だから、かけられる予算も自ずと小さくなってきてしまって、プロデューサーはDJとして金を稼がなきゃならなくなった。昔のDJはチャンスがあれば自分のレコードを作ったり、リミックスしたりする仕事が舞い込んでくるってことはあったけど、今では自分の作品やリミックスしたいと思ったら、まずはリスナーがその作品を気にってくれるようにならなきゃだめだし。もし、そうなったら、DJとしてブッキングされる機会が多くなって、たいてい場合、音楽制作にかける時間以上にDJをしなければならないんだ。これから先、どんなことが起こるか分からないけど、音楽制作にお金がかかり過ぎるんだよね。アーティストもプロデューサーもなんとかしてやりくりしなきゃならない。だから、すべての人にとって、フリーダウンロードってのはできないと思うんだ。 あなたの音楽はNu Discoだったりバレアリックという音楽で語られるけど、それについてはどう思う? バレアリックはジャンルじゃなくて、精神だと思う。ガラージと同じだね。Cafe Del Marのようなチルアウトだけじゃなくて、Amnesiaでプレイされているようなハウスだってニュービートだって、全部バレアリックだと思うんだよ。 スタジオに行って、「よし!今日はバレアリックな曲を作ろうと考えて、出来るもんじゃない。結局のところ、音楽が流れている場所や時間によって、醸し出されるものだと思うな。僕は自分の音楽をNu discoだとは考えていないんだ。例えば、僕のBack To The Beachや2 B The One U Wantという曲はハウスミュージックだと思うよ。Nu discoという言葉はレコードショップやマーケットにとっては必要なんだとは思うんだけどね。 Max Essaからサウンドファインダーのみなさんへメッセージ JacketWhite Shoes, Blue Dreams Now on sale ! Track listing 1) Moonlight & A New Direction 2) White Shoes, Blue Dreams 3) El Pilota 4) Glass Bottomed Boats 5) One Night Out Of Seven 6) Saturation (Dub) 7) We Can Run 8) Naked Horse Back Rider 9) Wrong Villa 10) Enoshima Mon Amor 11) Mirage 12) Love On The Water Max Essaの商品はこちらから購入できます!

Nakanoaya02_web_2 ヴィヴィドサウンドからデビューしたなかの綾。発売中のアルバム「ずるいひと」は歌謡曲のラテン、サルサ、ジャズアレンジでカバーした企画ものだが、よくある企画ものと一線を画するのはプロデューサーはせはじむによるところが大きい。参加するアーティストや制作者のクレジット見る限り、このプロジェクトは非常によく練られているということがうかがえる。 「環境も才能のひとつ」という人がいるが、彼女と話していると、まさにそのことを実感する。音楽活動をするうえで、どのように立ち振る舞い、どのようにしのいでいくか?ということを彼女は自然とわかっているようだ。新人のアーティストとしては異例の待遇で好スタートを切った彼女に、アルバムを聴いて感じたことを尋ねてみた。 いつ頃上京したんですか? 2年前に音楽をやるために上京しました。何はともあれ、生活することを考えなければならなかったので、JAZZ系で有名な某ライブハウスでバイトを始めたのですが、始めて1カ月ほどで、下積みにもほどがある(笑) 15分に1回トイレ掃除をしながら、あのステージに立ちたいと思ってましたね。 以前はどんなアーティストが好きなんですか? 椎名林檎さんが好きでした。小室ファミリー全盛の時代でしたねー(笑)。SPEEDも聴いてました(笑)。今は青江三奈さん、和田アキ子さん、東京スカパラダイスオーケストラ、エラ・フィッツジェラルド、エリカ・バドゥなどが好きです。 今回のプロジェクトについて教えてください。昭和歌謡とか好きだったんですか? プロデューサーのはせはじむさんが昔から温めていたプロジェクトだったのですが、機会があって皆でカラオケに行った時に私の歌声をはせさんが気に入ってくれたことがきっかけで具体的にプロジェクトが始まりました。
このアルバムは古い曲ばかりですが、自分の音楽的志向性とかけ離れている感じは全くありません。というのも、父が40歳、母が38歳の時に私は生まれたので、子供のころから私の周りには大人ばかりで、自然と昭和歌謡に触れる機会が多く親しみがあったので。 当然、両親は昭和歌謡が大好きなので、二人にも楽しんでもらえるアルバムをリリースできたことは親孝行になったかなと思っています。 歌う上で自分の持っている情感のようなものはどのように表現しようと思ったのでしょうか?収録された曲の中で、特に印象に残っているレコーディングなど教えていただけませんか? 今回収録した曲はディレクターとはせさんと私で選びました。基本的にはねっとりした不倫の歌ばかりです(笑)。
私の年齢で、こんなドロドロの不倫を経験している子はほとんどいないと思います。正直、どのように表現するかというのが非常に難しかったですね。
お金を貸して逃げられたりとか、家のドアに靴の跡がついてたとか、そういうことはありますけどね。たまに思い返して、家まで行って火をつけようかとか思ったり(爆笑)。 収録された曲の中で一番気に入っているのは和田アキ子さんのラストメトロ(先行シングル盤)ですね。いつかは和田さんにお会いして、気に入ってくださったか尋ねてみたいですね。怒られなければ嬉しいのですが(笑)。 レコーディングしているときは、プレッシャーとかなかったのですが、作品が出来上がって、ネットにいろいろな情報が出始めてから、徐々に自分の置かれている立場に気がついたというか。なんかすごいことになってきちゃっていると思いました。 今回参加されているミュージシャンについて教えてください。 ピアノの安部潤さんはジャニーズ系アーティストやBoAさん、MISIAさん、そして前川清さんの作品等に参加されています。ベースの山敷亮司さんはバークリー出身だそうです。安部さんのご紹介で参加してくださいました。ドラムの柿澤龍介さんはトルネード竜巻のメンバーです。ギターは塩川俊彦さんで、the fascinationsというジャズバンドで活躍されていらっしゃいます。ホーンセクションはTrumpetが茅野嘉亮さん、Tenor Saxが辻野 進輔さん、Tromboneが榎本裕介さんです。茅野さんはJudy & MaryのYukiさんのバックで演奏していますね。パーカッションは西岡ヒデローさんで、CENTRALというサルサ・バンドをやっています。ストリングスは佐藤清喜さんで、ご自身でmicrostarというユニットをやっています。 「恋に落ちて」のPV見ましたが、レトロな雰囲気が良く演出されていて、楽しそうだなと。 歌詞本来のイメージとのギャップが面白いですね。 この曲は昔から大好きでカラオケでもよく歌っていたので入り込みやすかったです。でも、
レコーディングは大変でした。20テイク以上録りましたね。
「ダイアル回して手を止めた」の語尾をどれだけ伸ばすか?というところにこだわって、何度も録り直して、最後はスタジオで土下座したりしてました(笑) はせさんからは、この曲に限らず、アルバム全体を通して、「もっとネットリ、情感を込めて!」みたいなことを言われたんですけど、このドロドロした歌に気持ちを込めすぎると、私を含めて若い世代のリスナーから離れてしまうと感じたんですよね。だから私なりにバランスを取って歌わせて頂きました。
 現役ホステスというキャッチがついてますが、どう感じていますか? 早く辞めたいなって思ってます(爆笑) 最初は「えっ!?なんで書くの??」と思いましたが、ま、ほんとのことですからねー。 今の時代、バイトをしながら音楽活動をしている人はたくさんいますし、私の場合は、若いころ流しの歌手に憧れていたこともあって、そのような盛り場で歌を歌いつつ、ホステスをするということは嫌いじゃないんですよ。今の時代タフに生きなきゃだめですからね。 早く音楽活動だけに専念したいとは考えていますが、夜の街が好きなんですよね~。 ホステスをやめたとしても、夜な夜な飲み歩くでしょうね(笑) ライヴについて予定はあるんですか? 今回のメンバーでのライヴは未定です。非常に練られたプロジェクトなので、ライヴについてもきっちりと固めてから臨みたいと思っています。 歌手としてはどのようなこと表現したいと思っていますか? 例えば、子供が買ってきたCDを親が聴いて、「なんだお前、いいの聴いてるじゃないか」という家もあれば、親が聴いているのを子供が聴いて、「オヤジ、なんかカッコイイの聴いてるじゃん」という感じで、親子の会話の架け橋になってくれればいいなと思っています。 ジャンルとか世代とかそういう垣根を越えて、楽しんでる姿を見ることが私にとっては幸せなことなので、そういう垣根がなくなればいいなと思っています。親世代の人が「今の若い子の音楽わからない」とよく言いますが、メッセージ性があっていい曲って沢山あると思うんです。反対に若い世代の人は「歌謡曲?わかんないよ。ダサイ」ではなく、これはかっこいい!という曲を見つけてほしいなと思っています。
自分はR&B好きだからそれしか聴きたくないではなく、本当によい音楽というものが何か?ということを感じてくれるようになればいいなと思っています。
なかの綾/ずるいひと Vscd9705_nakanoaya_web_1曲目 01.氷雨 (作詞作曲:とまりれん) 02.恋におちて (作詞:湯川れい子/作曲:小林明子) 03.黄昏のビギン (作詞:永六輔/作曲:中村八大) 04.経験 (作詞:安井かずみ/作曲:村井邦彦) 05.愛人 (作詞:荒木とよひさ/作曲:三木たかし) 06.ラスト・メトロ (作詞:村田さち子/作曲:小六禮次郎 07.ズルい女 (作詞/作曲:つんく) 08.ウナ・セラ・ディ東京 (作詞:岩谷時子/作曲:宮川泰) 09.舟唄 (作詞:阿久悠/作曲:浜圭介) 10.女とお酒のぶるーす (作詞:仁井谷俊也/作曲:宮下健治) 11.逢いたくて逢いたくて (作詞:岩谷時子/作曲:宮川泰) 絶賛発売中!こちらから購入できます PV 恋におちて Fall in Love【高画質ver.】

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